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2005年6月29日 (水)

木と樹の話 No.1:ナラ

mizunara 第一回目はナラです。私の場合、高山で木工を学んでいた時代、ず~っとず~っと、毎日毎日、来る日も来る日も、朝から晩までナラばっかりを相手にしていたので、家具材=ナラというイメージが強いのですが、皆さんは如何でしょうか?

ナラは散孔材で、導管が年輪に沿って並ぶので、年輪がはっきりしています。成長が早いと重くて堅い材になり、成長が遅いと軽くて軟らかくなります。材の色は褐色ですが、オイル塗装などを施した濡れ色の色は、木地の色によって発色に幅があります。木地色がキレイだと、黄色やオレンジがかったような色になって何とも言えずキレイです。

ところでこのナラと呼ばれている材は、樹としてはミズナラの事です。国内には九州から北海道まで広く分布していますが、材として有名なのは北海道産、東北からもそれなりの量が出ているのではないかと思います。ただ、最近では国内でナラ材として流通しているものの中には、中国産やロシア産のものも多いようです。植物の種としてはかなり近縁なのですが、中国産のものは植物学的にはモンゴリナラと呼ばれるものです。材としては同じ物として扱われていますが、性質などは実際のところどうなのでしょう?高山で木工の先生に、「加工している最中に、甘い香りがするので国産のナラで、中国産のものは酸っぱいにおいがするようだ。」と聞いた事があります。そういわれて注意してみると、確かに甘い木の香りのするものと、酸っぱい香りのするものと二種類ある気がするのですが、実際に加工もされている皆さんどう思われますか?

ミズナラは欧州では森の王様(King of Forest)と呼ばれるそうです。私も岩手の山中で、ササ原の中にそびえ立つ、大人で三抱えもあるようなミズナラの大径木に会ったことがあります。その力強い樹形と荒々しく割れた樹皮で、貫禄十分。「なるほど王様だ。」という気持ちになりました。ミズナラはドングリのなる木でもあります。ドングリが森に住む動物の貴重な餌となっており、また樹に出来た洞が動物の住処になったりもします。日本の森に欠かせない樹です。ちょっと専門的な話になりますが、分布するところがブナとほぼ同じなので、ブナと混じりあって生えたり、ブナ林を伐採した後に二次的に生えてくることが多くあります。また、土壌の乾燥具合や水分条件、その他、ブナ林が成立できない立地ではミズナラの林になる事が多くあります。ミズナラはブナとともに、一定の標高よりも高いところでは森林の優占種(簡単に言うと主要な構成種)として生育する種です。それだけ、用材として供給可能な量も潜在的に多いはずだということになりますが、実際の所は伐採の影響で、材として有用な程の大経木は限られているという所なのではないでしょうか。家具材として非常に有用な材です。大事に使っていきたいものです

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[ナラ/楢:ブナ科:広葉樹/環孔材] 家具の材料に使うの広葉樹の中ではかなりメジ... [続きを読む]

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